親との同居で住宅費ゼロ
そんな松山家の収支を見ると、突出しているのが住居費だ。住居費は年収の2割以下、できれば6万円以内に抑えたい。首都圏では難しいかもしれないが、中古住宅などをこまめに探せば見つかるはずだ。
また、車好きの松山さんの愛車は大型ワゴン。通勤に必要でも、せめて軽自動車に乗り換えたほうがいい。さらに、通信費も見直す余地がある。スマホをやめて夫婦ともガラケー(ガラパゴス携帯)にすれば、月1000~2000円は節約できる。「たった1000円」と思うかもしれないが、節約を知る人なら1000円の重みがわかるはずだ。
松山家のようにボーナスのない家庭では、自動車税など決まっている費用を見積もって毎月積み立てておくといい。そのためにも、毎月貯金のできる体制づくりが急務だ。
年収300万円家庭にのしかかる住居費問題を解決する方法の1つが、親との同居。結婚以来、文房具店を営む両親と同居しているのが大竹さんだ。食費や水道光熱費をきちんと負担しても、住居費ゼロの効果は大きく、年収の4分の1を超える年86万円を貯め、現在の貯蓄額はすでに550万円に達している。
もっとも、狭い家で親と毎日顔を合わせることへの精神的負担は少なくない。特に妻のストレスは大きく、貯金に励んでいるのも、いずれは近所に家を買って別居するという夢があるからだ。そうなったとき、これまで比較的余裕のある生活を送っていた大竹家では、生活の引き締めを迫られることになるだろう。
ただし、大竹家も松山家も、専業主婦の妻が働けば収支は大幅に改善する。特に松山家では家計管理能力が身についているため、妻が働くほど貯金が増える状況になりそうだ。長男が小学生になるまであと1年。長女を保育園に預けて働けば、教育費ばかりか老後資金も貯められそうだ。
●松山家はここを改善!
・家賃を月6万円以内に抑える
・コストのかからない車に替える
・上の子が小学生になったら妻も働く
●大竹家はここが優秀!
・親と同居で住居費ゼロ
・自動車を親と共用し費用の一部を負担
・毎月先取り貯蓄を実行