史実でも家庭を持っていたのか

実際、『画本虫ゑらみ』が刊行されたのと同じ天明8年、蔦重は歌麿の笑い絵、すなわち春画を集めた本『歌まくら』も刊行した。そこに至る経緯が第35回「間違凧文武二道」(9月14日放送)で流される。

歌麿は蔦重に、以前は描けなかった笑い絵を描いて届けた。そのときひとりの女性を連れてきた。それは第30回「人まね歌麿」(8月10日放送)で、歌麿が助けようとした女だった。歌麿は彼女が男に襲われていると思い、その男を石で滅多打ちにし、蔦重に止められたのだが、実際には、歌麿の母とその情婦の幻影を見ていただけで、男は女性を襲っていたわけではなかった。

ともかく歌麿は、その「おきよ」という耳が聞こえない女性と所帯をもつという。「ちゃんとしたい」「おきよを幸せにしたい」と語る歌麿に、蔦重は満足する。歌麿はおきよをモデルにして笑い絵を描いた、というのがドラマにおける設定なのだろうか。