下手におだてれば、すぐに見透かされて疎んじられてしまう。どうしたら、気持ちよく相手を持ち上げられるのか――。(内容・肩書は、2017年12月18日号掲載時のままです) 

軽妙なユーモアで相手の懐に飛び込む

花柳界には、「太鼓持ち」という独特の生業があることをご存じだろうか? 太鼓持ちは「幇間」ともいい、宴席で小噺や踊り、物まねといった座興を披露するほか、客の話に付き合ったり、酒やゲームの相手をしたりもする。基本的に男性の仕事なので、女性の芸者に対して「男芸者」と呼ばれることもある。その歴史は古く、豊臣秀吉の御伽衆(おとぎしゅう/芸能に優れた側近)が起源という説もある。戦前までは、料亭のお座敷には欠かせない存在だった。

太鼓持ちはひと言でいえば、マルチなエンターテイナー。宴席を盛り上げて、客を喜ばせるプロの「宴会部長」だ。そこが、落語家や手品師といったほかの芸人とは異なる。現在は浅草に6人しかいない太鼓持ちの一人である櫻川七好さんが説明する。

(構成=野澤正毅 撮影=石橋素幸)