健康を保つためにはどのような食事がいいのか。抗加齢・長寿研究の第一人者である医師の白澤卓二さんは「日本では長年、白米とみそ汁、漬け物やおひたしといった素朴な和定食が健康と長寿につながると信じられてきた。しかし、こうした粗食は実は老化を進めてしまう恐れがある」という――。

※本稿は、白澤卓二監修『科学的に正しい一生老けない方法100』(宝島社)の一部を再編集したものです。

割った卵
写真=iStock.com/Linda Hall
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食物繊維の摂りすぎにはカラダに悪い

排便をスムーズにしたり、有害なダイオキシンなどを体外に排出したりと、「デトックス効果」で注目されている食物繊維。特に、水に溶ける「水溶性食物繊維」は、胃の中で膨らんで満腹感を与え、食べすぎを防いで肥満予防に役立ちます。

また、コレステロールや糖の吸収をゆるやかにし、代謝や排泄を助けて、血糖値やコレステロール値の上昇を抑える働きもあります。

現代人は野菜不足が指摘されており、健康意識の高まりとともに、食物繊維を積極的にとろうとする人も増えています。確かに食物繊維は体に良い成分ですが、だからといって「多ければ多いほど良い」というわけではありません。過剰に摂取することで、かえって体調を崩し、老化を早めてしまう可能性があるのです。

適切な量は「さつまいも約4個分」

たとえば、食物繊維をとりすぎると腸の動きが過剰になり、下痢を引き起こすことがあります。その際、カルシウムや鉄、亜鉛といった大切なミネラルが体外に流れ出てしまい、骨粗しょう症や貧血、味覚障害を招くことも。また、腸の調子が悪くなることで栄養の吸収力が落ち、腸内で合成されるビタミンB群の量も減少してしまいます。

つまり、せっかく健康のためにとっている食物繊維が、過剰になると逆に体の不調や老化につながってしまうというわけです。大切なのは「適量を守ること」。食物繊維は、適切な量を毎日コツコツととることでこそ、腸内環境を整え、若々しさをキープする力を発揮します。

厚生労働省が発表した2025年版「日本人の食事摂取基準」では、1日の摂取目標量は男性で30~64歳は22g以上、65~74歳は21g以上。女性で18~74歳は18g以上、75歳以上は17g以上とされています。

具体的には、ごぼうなら約2本分、さつまいもなら約4個分が目安です。ほかの野菜であれば、一食につき100〜200gほど食べるように心がけましょう。