平成を代表する経営者、稲盛和夫氏。その真骨頂は「利他の心」から発した第二電電創業やJAL再建などの数々の挑戦だ。身近に接した人々が「教え」のエッセンスを語る。(内容・肩書は、2019年7月5日号掲載時のままです)
なぜ話すだけでなく行動で示すか
JALの再建に稲盛さんが乗り出された当時、社内には若手を中心に稲盛さんを歓迎する声もありましたが、幹部クラスに限れば懐疑論のほうが強かったと思います。しかし彼らも次第に心を開き、稲盛さんを中心に強い一体感のある会社になりました。再建2年目には営業利益が過去最高の2049億円を超え、再上場を果たすこともできたのです。
稲盛さんは、そのために何をされたのでしょうか。講演や著書で述べられているとおり、一言で言えば、すべての従業員に対する愛と感謝の気持ちを言葉にし、行動で示されたのです。
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(構成=久保田正志 撮影=永井浩、若杉憲司(稲盛氏) 聞き手=渋谷和宏)


