人生後半を楽しく生きるには何をするといいか。精神科医の和田秀樹さんは「50代から60代で子どもがいなくなって、夫婦があらためて顔を向き合わせ、一緒にいても全然楽しくないのであれば『恋活』すべきだ。近所に気の合う恋活相手がいれば、幸福感が溢れ、免疫力もあがり残りの人生はバラ色になる」という――。
※本稿は、和田秀樹『60歳からこそ人生の本番 永遠の若さを手に入れる恋活入門』(二見書房)の一部を再編集したものです。
年齢を重ねてきたことによる経験知やプライドはじゃま
恋活の話をすると、「私はもう歳なんで」「いい歳をして恥ずかしい」という人がいます。
でも、むしろ「いい歳」だからこそ恋活すべきだと私は考えます。恋活することを照れたり遠慮したりすることはありません。
恋活することを前向きにとらえられる人は、柔軟性のある人です。老年医療に30年以上もたずさわってきた私の経験から、こだわりや決めつけが強く、物事を型どおりに進めようとする人よりも、恋活をしようとする人/すでに恋活中の人は、思考が柔軟で、臨機応変に対応でき、認知症にかかりにくい人である、という事実を痛感します。
年齢を重ねてきたことによる経験知やプライドは、むしろ恋活においては、じゃまになることも多いのです。
「これが絶対正しい」「これ以外は認めない」という強情さは、脳の老化を早めます。歳を重ねた今だからこそ、あらゆる相手に興味関心を持ち、ちょっと話してみようかという素直さと度胸を持つことが大切だと思います。
人生の後半、とくにリタイア後の人生を「第二の人生」などと呼びますが、私は、人生の後半こそ、偽りのない「本当の自分」に戻っていくときだと考えます。
あなたはここまで十分過ぎるほど自分を抑制したり、相手に合わせたりしながら頑張ってきたのですから、どうか今こそ「本当の人生」を生きてください。
成熟した男性・女性であれば、これからいっそう自分に磨きをかけることで、あなた本来の魅力が開花して、新たな人生のスタートとなります。
これまで社会のなかでさまざまなことに揉まれながら、たくさんの経験を重ね、思考や知識の幅を広げてきたからこそできるのが恋活です。

