税収増を理由に減税するのは筋違いだ

インターネットの進歩で、私がアメリカに住んでいても、日本の参議院選挙の様子が刻一刻と伝わってくるようになった。今回、自民党と公明党の両党は参議院で過半数を割ったが、党内や野党に石破内閣に代わる明確な後継候補が存在しない以上、政治的には難しい選択であっても、現内閣が政権を維持せざるをえない状況にあるのだろう。

今回の選挙戦を通じて奇妙に感じたのは、インフレ傾向が明らかな中で、財政政策、特に「減税」が、国民の生活支援策として主張されていたことである。私の情報源は限られた海外報道に基づくため、すべてを把握しているわけではないが、インフレや円安といった現状に対して必要な金融引き締めの重要性を訴える候補者は、ほとんど見かけなかったように思う。

(写真=時事通信フォト)
【関連記事】
トランプ政権との関税交渉は「負けるが勝ち」で臨むべき理由
米騒動とUSスチール買収に共通するたった1つのこと
「ハーバーガーの三角形」をご存じか?…トランプ関税がアメリカ国民を苦しめてしまう経済学的理由
欧州・ロシア・ウクライナの「敗戦」でロシアと欧州に起きること…大予測「これからの世界経済」
オンラインカジノ利用で「報道なし」「不起訴」でもクビになる人の条件