――そうですね。弊社から最近『年収が上がらなくても貯金が増える生き方』という本を出された藤川太さんも、常々「年収700万円の層がいちばん危ない」とおっしゃっています。さらに、年収1000万円でも貯金ゼロのご家庭も普通にあると。

【ちきりん】1000万円どころか年収1500万円でもあるでしょうね。年収1500万円といっても手取りだと1200万に届かないケースもある。それなりの家に住んで、子供たちを私立に行かせて……とやっていたら貯金もできないです。

――いまの会社は辞められない、いまの仕事を続けるしかない、という理由が「この生活を守るため」と。

【ちきりん】子供の“お受験”の費用はぜったい削れないという人には、他の家がみんなお受験をやってなくても、お受験すべきなのか、聞いてみたいです。他の家がどこもやってないのに、自分たちはどうしてもそうしたいということには、思い切ってお金を使えばいいと思います。それと、40歳を超えたらいきなり人生終わりですって宣告される可能性も上昇するので、「65歳までは我慢する」みたいな発想はどうかと。平均寿命が長くなる一方で、全員が長生きできるわけでもない。やりたいことは、むやみに先に延ばさないほうがいいと思います。

ちきりん
バブル最盛期に証券会社で働いた後、米国での大学院留学生活を経て外資系企業に勤務。退職後、文筆活動や対談を中心に“楽しいことだけして暮らす”人生ふたつめの働き方を実践中。ブログ「Chikirinの日記(
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/)」と「ちきりんパーソナル(http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/)」は、併せて月に20万人以上の読者が訪れる日本有数の人気ブログ。著書に『ゆるく考えよう』『自分のアタマで考えよう』『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう』『未来の働き方を考えよう』などがある。
(撮影=二石友希)
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