これまで14話にわたってお伝えしてきた童話マトリックスに基づく1on1マネジメントは、「部下との円滑なコミュニケーション」ができることが前提です。仲良しではなくとも一定の信頼関係があればこそ、あなたの指導やアドバイスを部下は聞き入れてくれるのです。では、信頼関係とはどのようにして育めばいいのでしょうか。「童話マトリックス」からいったん離れ、信頼関係構築のためのテクニックについて、2話にわたってお伝えします。
「信頼残高」を積み上げる6つの方法
「信頼残高」という言葉を、みなさんはご存じでしょうか? 20世紀を代表するビジネス書といわれるスティーブン・R・コヴィー氏の『7つの習慣』(キングベアー出版)に出てくる言葉で、あなたが積み上げた、相手との信頼関係や安心感のことを指します。
部下との信頼残高がなければ、1on1マネジメントは成立しません。コミュニケーションを図ろうとしても嫌がられ、本心を語ることもないのですから、部下のパーソナリティも、やりたいことも、いまの気持ちや悩み、不満を理解することもできません。少し核心に触れたことを言えば機嫌を損ね、ウザがられてしまうのでは、マネジメントのしようもありません。童話マトリックスでタイプや考え方がわかったところで、それより先に進めないのです。
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(構成=岩川悟、吉田大悟 イラスト=Style.T.84 図版作成=佐藤香奈 撮影=玉井美世子)

