スティーブ・ジョブズ氏(PANA=写真)

しかも、ただテーマに沿ったエピソードを羅列するのではなく、経験から抽出した教訓がわかりやすく語られる。

「ジョブズのスピーチから第一に学ぶべきは、本当に伝えたい内容がある、ということです。製品発表のプレゼンでいえば、“この製品で世界にインパクトを与えたい”というパッションが先にある。だから質の高いプレゼンを必要とし、何度も何度も練習を繰り返して体得したわけです。初めに伝えるべき内容と情熱がなければ、どんなノウハウも活きてこない。そこが最も学ぶべき点です」

経験という点は将来を予測して結びつけることはできないけれども、いずれ未来でつながると信じるべきだというメッセージに心が救われたという人は多い。ジョブズの言葉1つひとつに、人生から学んだ大切なことを伝えたいというパッションを感じるからこそ、聴衆は心を揺さぶられるのだ。

カリスマ経営者たちの優れたメッセージは「何のために」という目的、「誰のために」という対象が常に明確だ。いずれも高い理想と、その実現に向けた情熱が生みだした言葉であることが理解できるだろう。

(PANA=写真)
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