個人情報が漏れる意外な落とし穴
ここで、個人情報の漏洩や悪用について、私たちができる防衛策を見ていこう。誰もが思いつく被害は、クレジットカード情報の流出や不正利用だろう。ネット犯罪や不正に詳しいジャーナリストの山野祐介氏はいう。
「クレジットカードの情報が漏れれば、それだけですぐに被害に繋がります。流出したときに備えて、対応に優れたJCBやアメックスのカードを使うこと。ネットでサービスを利用するなら、上限額のあるプリペイド式のものを使うのも1つの対策です。ただ、毎回チャージするのは面倒ではあります。
クレジットカードは不正利用されても、すぐに気づかないケースもあります。少額が少しずつ引き落とされるようなやり口もあるからです。楽天カードやエポスカードのように、決済と同時に通知がくるものを使うのも方法ですね」
また、気をつけたいのがカフェやホテルなどで提供される公共のWi-Fiだ。「情報はすべて公開されていると考えたほうがいい。私は絶対に使いません」と山野氏は警戒を促す。
「理論上は、公共のWi-Fiにログインしている人が何をしているのか、ネットワーク上の人はすべて見ることができます。実際に、私の知人はファストフード店の公共Wi-Fiに接続したことで仮想通貨の情報が流出して、100万円弱の被害にあいました。また、個人所有のWi-Fiでも、古い認証方式のものは要注意です。いまはWPA2が主流ですが、ひと世代前のWEPのものはセキュリティレベルは低い。解析すればパスワードなどの情報はすぐに知られてしまいます」
セキュリティについて弁護士の板倉陽一郎氏に聞いた。
「Googleなどは位置情報を修正したり消去できるようになっています。ユーザーの『権利』を配慮したシステムを持っている会社を選んだほうがいいのは確か。セキュリティはGoogleやAppleなどのクラウドサービスのほうが、個人で管理するより優れているわけですからね」