利用者の意図しないところで、個人情報が悪用されるケースが後を絶たない。個人情報を守るには、どうすればいいのか。4人の専門家に5つのテーマごとに話を聞いた。第3回は「ポイントカード」について――。(全5回)

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Tカードの情報が、令状なしに捜査関係事項照会だけで警察に提供されていた案件を不安視する声が大きい。これまでは氏名や住所等という情報が個々に提供されていたが、顧客データベースごと警察に利用されてしまっているのではないかと、漠然とながら危惧しているところもあるだろう。警察に限らず、本来自分が理解したこととは違う目的で利用され、また不本意な形で自分が選別されているかもしれないという不安はつきまとう。ポイントカードをこのまま使用していいものなのか。新潟大学の鈴木正朝教授がいう。

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「膨大な履歴データを集め、個人の属性が分類される。確かに属性を細かく分析し、ピンポイントな広告を表示できれば、購買意欲の高い消費者にアピールすることはできる。適正な広告にとどまるならまだいい。しかし履歴データが利用されることで危惧される問題は、非常に深刻なものもあります」

(撮影=秋田和是 写真=iStock.com)
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