「ブロックに跳ばないとき、全員がリベロ(守備専門のポジション)だと言っています。最後は気持ちでボールを上げろ、と。レシーブ力アップというのは、その前のブロック、さらにその前のサーブも大事なんです。うるさく言っているのは、“トータルディフェンス”です」

つまりはサーブで相手レシーブを崩し、ブロックと連携してスパイクを拾うことである。互いの役割分担、コンビネーションがポイントとなる。レシーブのうまい選手はおのずと守備範囲がひろくなる。

ブロックシステムにも工夫がいる。これは時間がかかるが、要するに日本のオリジナリティを連携の中からつくり上げるということである。

2010年は世界三大大会のひとつ、世界選手権がある。ことしメンバーを見極めたら、来年はある程度、メンバーを固め、メダル獲得を狙う。その次の11年のワールドカップで上位3チームに入り、ロンドン五輪の出場権をゲットする青写真をえがく。

そして、目標では、「ロンドン五輪でメダル獲得」である。最後は自律した選手たちが目標を信じ、自分たちを信じることができるか、だ。

日本のオリジナリティは「精密なバレー」だという。「外国にはない緻密、精密なプレーです」。なんだか自動車や時計の世界と似てはいまいか。

そういえば、眞鍋ジャパンの愛称が「火の鳥NIPPON」である。ひとつになって、燃える組織は強いということなのだろう。

※すべて雑誌掲載当時