カラオケと回転テーブルは「日本の素晴らしい発明品」

中国の都市部で働いている人の多くは故郷を後にしています。広い国ですからなかなか帰れません。そんな人たちの心に、この曲が響いたのでしょう。望郷は漢詩の主要なテーマでもあります。中国人とカラオケに行くと、中国語版『北国の春』を歌う人は多かったです。日本人と同じく、中国人も概してカラオケが大好きのようです。

中国で生まれ世界に広まったものは多く、火薬、活版印刷、紙など、中国人はその多くの発明を誇りに思っています。

寿司も中国の発明だといわれており、確かに、雲南省に日本の熟れ鮨の原型のような食べ物があります。雲南には海がないので、発酵食品が進化しているのです。

日本の江戸前寿司に関しては、そこから大きく発展したものといえるので、発明を語られても日本人としては少々違和感があるところですが、中国人は発明に対するプライドは高く持っているようです。

それでも、カラオケに関しては日本発祥の素晴らしい発明であると認めています。

そして、中国人も認める日本が開発した意外なものがもう1つあります。それは円形の回転テーブルです。

回転テーブルは、日本の「目黒雅叙園」の創始者によって、1932年(当時は和食と北京料理を扱う料亭だった)に開発されました。あの中国料理を楽しむ、大きくて、円形で、クルクル回るテーブルは、実は日本発祥なのです。

中国出身俳優はなぜハリウッドで成功しやすいのか

中国で活動している音楽家たちが中央音楽学院を卒業しているのと同じように、中国の演劇界や映画界で活躍するには、北京の中央戯劇学院や上海戯劇学院を卒業する必要があります。

どちらも国立大学で、それぞれ、演劇・ミュージカル、ディレクター、舞台芸術、映画、ダンスなどの学科に分かれています。ジャン・ウェン(姜文)、コン・リー(鞏俐)、チャン・ツィイー(章子怡)は、中央戯劇学院出身の俳優です。コン・リー主演でベルリン国際映画祭金熊賞受賞作『紅いコーリャン』の監督チャン・イーモウ(張芸謀)のような別の学校を卒業して成功した映画人はレアケースです。

日本のように歌手やモデル出身で、顔がきれいで演技は上手でないタイプの俳優はまずいません。日本の場合は、歌手やモデル、あるいはスポーツ選手出身でも場数を踏むことで俳優として成功することもあります。中国ではそういうケースもまずありません。

中国の映画・演劇界で成功を収めるには高いハードルを越えなくてはいけません。

ただ、中国出身の俳優は基礎ができているので演出家は起用しやすく、ハリウッドへ進出すると成功しやすいといわれています。中国人女優のリウ・イーフェイ(劉亦菲)は、ディズニーの実写版映画『ムーラン』の主役に抜擢され、ハリウッド女優としての地歩を固めました。