ベースロード電源は供給全体の3~4割

バイオマスや地熱をエネルギー政策に組み込むにしても、それぞれ5%でトータル10%というところだろう。

一定の電気を安定的に供給するベースロード電源は、供給全体の3~4割を占める必要がある。そのため風力や太陽光などの再生可能エネルギーでは、原発に代わるベースロードにはなりえない。

発電コストが安い原発にベースロード電源としての役割を担わせることで、これまでの日本経済は成り立ってきた。原発エネルギーを基にした技術開発の典型が、電気自動車や水素燃料電池などの例だ。

電気自動車は原発の安価な夜間電力(昼間の約3分の1の電気料金)で充電するため、ガソリン車よりコストが安いとアピールできた。原発がなくなって昼夜の料金が同じになれば、電気自動車の燃費は跳ね上がる。

かといって化石燃料を燃やしてつくった電気で電気自動車を走らせた場合は、「エコカー」ではない。むしろ改良の進んだガソリン車のほうが、燃費効率はいいぐらいだから、どちらがクリーンかという議論すら成り立たなくなる。