公費負担のポスター代を「自腹」の謎

斎藤陣営がどんな成果物に対して金銭を支払ったのかは、noteへの投稿「4.ポスター・チラシ・選挙公報・政策スライド」の写真を見ればよくわかる。

⑤選挙公報デザイン制作5万円について、選挙公報の印刷は兵庫県選挙管理委員会が行うから、斎藤陣営が「自腹」で支払うことは当然である。

ただ5万円は破格に安い値段である。というのも、メルチュは選挙公報のモノクロデザインだけでなく、SNS用にカラー版もつくっている。

不思議なのは、②チラシデザイン制作15万円と③ポスターデザイン制作5万円の2つの項目である。

選挙運動用ビラ(チラシ)と選挙運動用ポスター(個人演説会告知用ポスターを含む)デザインは公費負担で済む。

ところが、斎藤陣営はチラシ、ポスターデザインにかかる費用としてメルチュに支払いをしたとしている。

公費負担で済むところを、斎藤陣営はわざわざ「自腹」を切ったことになる。

この自腹負担を見れば、斎藤陣営が公職選挙法をまったく理解していないのではないか、と疑いの目を向けられても仕方ない。

ポスター代を自腹で依頼する候補者など1人もいない

ふつうであれば、デザインを請け負ったメルチュが印刷会社に発注して、メルチュが直接、選挙管理委員会にかかった費用を請求することになる。

チラシ、ポスターのデザイン制作費用は合わせて20万円である。公費負担であることを知りながら、その2つを別個に自腹で、デザイン会社に依頼する知事候補者など全国どこを見回してもいない。

折田氏のメルチュが作成した選挙公報、選挙ポスターなど(noteの投稿記事から)

兵庫県知事選では、チラシは約26万5000枚、ポスターはポスター掲示場数の2倍まで作成できる。つまり、それなりの費用が掛かるのである。