「みんな」の前でも、一人ひとりに言葉をとどける
もう1つ大事なことがあります。
それは、「みんな」に向かって話そうとしないことです。
1対1であればふつうに話すことができるのに、3人の前に立って話そうとするとどうなりますか?急にたどたどしくなってしまうはずです。
この時、あなたは誰に話しかけているのでしょうか?
そう、「みんな」です。
でも、「みんな」という人は存在しません。それは、人の集合を表す概念です。
つまり、実際の人が見えていないということです。
「みんな」という集合体に話しかけるのではなく、「鈴木さん」「佐藤さん」など、一人ひとり、順番に話しかけるイメージを持ってください。
1対1で話をする時と同じように、目を見ながら「その人」に言葉を届けるのです。
1人の人間として話しかけられた人は、たいてい人間らしい反応を返してくれます。つまり、うなずいたり、あいづちを打ったり、目線を返してくれたりするのです。
反応が返ってくれば、人前で話す緊張もすっと消えていくでしょう。
「いいことを言わなければ」などと思っている時ほど、目の前にいる「その人」を認識できていないものです。
失礼な話、力んだところで急に話がうまくなるわけでもなし。逆に言えば、いきなり下手になることもありません。
大丈夫。いいことを言おうと思わないで、いつも通りに話してみてください。