ブッシュ元大統領の意外な趣味

ジョージ・W・ブッシュ元米大統領、英国王チャールズ3世、ポップ・スターのテイラー・スウィフト――。この3人には、はっきりとした共通点がある。

全員、とてつもなく裕福で、荒唐無稽な陰謀論の対象で、頻繁に豪華な世界ツアーをしている。しかし、意外な共通点もある。

それは、絵を描くのが好きだということだ。

ブッシュは退役軍人を、チャールズ3世は少し風変わりなスコットランドの風景を、スウィフトは海の風景や、花、葉など様々な対象を、大胆で雰囲気のある色彩で描く。

絵を描くのは、CALMの典型的な活動だろう。経験が浅くても、描き続けていれば上達し、有能感は高まっていく。また、何をどう描くかを自分で選べるという意味で、自律性がある。日常から離れられるので、解放感が得られる。そしてこれは穏やかでリラックスした、くつろげる活動だ。

「いいものをつくろう」と思わなくていい

しかしほとんどの人にとって、絵を描くことが重要なのは、それがあくまでも趣味であるという点だ。それは特別な目的もなく、金銭的な利益を求めるわけでもなく、純粋に好きに楽しむものなのだ。

CALMな活動を日常生活に取り入れるのに、趣味はうってつけだ。何より、趣味には気楽に関われる。それは勝ち負けを競うものでもなければ、ビジネスでもない。

こうした創造的な趣味のメリットを最大限に活かすには、日常から離れ、ストレスを感じずに活動そのものを楽しむことだ。時間を決め、仕事や私生活とは明確な境界線を引き、創造的な活動に集中する。専用のスペースや部屋をつくったり、創造的な活動をしているときは仕事のメールの通知をオフにしたり、時間を決めて定期的に行ったりしてもいいだろう。

また、趣味は高みを目指すものではなく、過程を楽しむべきものだと心得ること。絵を描いたり、何かを創作したりするときは、「いいものをつくろう」とすることばかりに気を取られるべきではない。失敗したり、あれこれ実験したりしながら、自分のペースで取り組めばいい。