創造的な活動には4つの効果がある

詩を書いたり、絵を描いたりするといった創造的な活動に没頭して、それが終わった頃には心配事をすっかり忘れていたといった体験をしたことはないだろうか?

これは科学的に検証可能な現象だ。サンフランシスコ州立大学とイリノイ州立大学の心理学者チームによれば、こうした創造的な活動はリラックス効果が高い。また、人を良い気分にさせる特徴が4つあるという。

僕はその頭文字を取って、「CALM」と呼んでいる。

まず1つ目の特徴として、創造的な活動は、「有能感」(Competence)を高められる。第2章で学んだように、人は新しい技能を身につけていると感じると、エネルギーが湧く。クリエイティブな行為をしているときは、特にそれが当てはまる。詩を書いたり、絵を描いたりすると、自分の技術が上達しているのを体感するので、有能感が向上する。

2つ目に、創造的な活動は、「自律性」(Autonomy)を刺激する。これも第2章で説明したように、自分の仕事に対してコントロール感を持てると、気分が良くなる。創造的な活動をするときに自律性を感じられると(たとえば絵を描くときに、何を、どのように描くかを自分の思い通りにできると)、元気が湧いてくる。

3つ目に、創造的な活動は、「解放感」(Liberty)を与えてくれる。つまり、仕事のことを忘れられる。「仕事モード」を引きずったまま、ギターの演奏に没頭はできない。それは、仕事生活から僕たちを解放してくれるのだ。

4つ目に、創造的な活動からは、「くつろぎ」(Mellow)が得られる。創造的な活動は、誰かと競争したりしない限り、リラックスして気楽に関われる。ゆったりとしたBGMを聴きながら友人にプレゼントするセーターを編んでいると(たとえば、2000人のライバルがいて、締め切りが迫っているニット・コンテストにセーターを出品する場合よりも)、仕事のストレスから解放されやすい。

このように、創造的活動は4つの方法で僕たちを元気にしてくれる。では、この「CALM」効果をもたらしてくれる創造的活動を見分け、それを生活に取り入れるには、どうしたらよいのだろうか?