他人の発言や態度に一喜一憂するのは、他人に操られているのと同じ

人からの傷つく言葉や態度を気にすることも、楽しく、賢く生きるためには御法度です。

たとえば誰かから、悪意のある言葉をかけられたり、心ない態度をとられたりしたとします。そんな時には、大人な態度でさっと受け流す、ということを意識してみてください。相手と同じ土俵に立ってやり返さなくてよいのです。こんなときこそ冷静に、感情をコントロールするのが頭のよいシニアです。

負の感情をぶつけてくるような人は、はっきり言って幼稚ですし、話にならない相手です。そんな人とは、まともに取り合わないのが一番です。

そして、もしその人の言動によって心が乱されたのなら、「私は私、大丈夫!」とつぶやいてください。それから、散歩をしたり、好きな映画を観たり、美味しいものを食べたりと、自分がご機嫌になれることをして心を満たすのです。

誰かの心ない言動によって感情が揺さぶられることだって、人間ですからもちろんあるでしょう。それは正当な感情ですから、否定しなくてよいのです。大切なのは、その気持ちを引きずらないこと、そして上手に気持ちを転換させることです。無神経な相手に対する不快感を持続させるのは、あなたの大切な感情の無駄遣いです。

とるに足らない人に心を乱されたままでいるなんて、実はとても無駄なこと。相手の一挙一動に振り回され、嫌な感情を膨らませるなんて、まるでその人の操り人形にでもなってしまったかのようです。

そんな状況は、賢いあなたが受け入れるべきものではありませんよね?

和田秀樹『脳と心が一瞬で整うシンプル習慣 60歳から頭はどんどんよくなる!』(飛鳥新社)

自分の人生の主役は自分です。ですから配慮のない人の言動からは軽やかに身をかわし、自分を幸せにすることに注力してください。

日本人は昔から「誰とでも仲よく」「みんなに優しく」という精神を重んじますが、人と人には相性というものがある以上、どうしたって自分と合わない人はいます。

ですから、合わない人は合わないのだと割り切る勇気が必要です。嫌われることを恐れないでください。

そして我慢がならなくなったら、その人と距離を置いたり、そのコミュニティから離れたりしてよいのです。この国ではぐっと我慢することが美徳とされますが、嫌な環境に身を置いて心身に支障をきたすのは、まったくもって健全ではありません。

基本的には、他人を変えることはできません。ですから自分で工夫して、自分の過ごしやすい状況をつくっていくのです。