「ふんばろう」はフェイスブック上で2700人以上により運営されていますから、気軽に参加することができます。それ以外にもたくさんの団体がありますので、自分のスキルを活かせそうな団体に足を踏み入れてみるのはいかがでしょうか。そして、各人ができる範囲で力を発揮すればよいのです。
ボランティア活動は、「支援とはかくあるべきだ」という理想論に流れがちです。しかし、たとえ正論でも、それを声高に叫べば参加の入り口を狭めることになります。たとえばある人が100頑張れるからといって、10しか協力できない人を15人排除してしまったら逆効果です。
前線と後方支援は車の両輪です。
「ふんばろう」の幹部クラスのなかにも、被災地に行っていない人はいます。あえてそうすることで、行かなくても手伝えることがあることを示そうとしているのでしょう。
会社に働きかけて、参加するやり方もあります。たとえば布ぞうりのプロジェクトに参加しているホンダでは、材料となるTシャツを集めて現地に送り、被災地の方がつくった布ぞうりを社内で販売しています。
現地の復興は始まったばかりです。いまからでも個人でできることはいろいろあります。「ふんばろう」にも新たな参加者が日々加わっています。いまさらと思わず、いまこそ始めてほしいと思います。
1974年、宮城県生まれ。早稲田大学大学院(MBA)専任講師。専門は心理学と哲学。「構造構成主義」という独自のメタ理論を創唱。著書に『人を助けるすんごい仕組み』。