「ラーメン叔父さん」の成功を見て育つ

高校卒業まで宮崎で育った菅生さん。地元のラーメン店のフランチャイズを手がけて成功した叔父を見て、「自分も飲食業で成功したい」と夢を抱いた。大学を卒業後に上京し、IT企業勤務を経て2009年、恵比寿に焼き鳥店を開いた。

「東京で知り合った焼き鳥職人と、地元の同級生の3人で開業しました。私自身はアルバイトで接客の経験はあるものの、経営は独学でしたね。かたっぱしから本を読んで勉強しました」

宮崎の食材を用いた焼き鳥店は評判を呼び、代官山や二子玉川といったエリアで次々に系列店を増やしたが、早々に撤退を余儀なくされる苦い経験もした。

転機は2017年だった。前出・叔父が、「(宮崎市の)田野町にすごくおいしい焼き芋があるんだけど。食べてみて」と焼き芋を送ってきたのだ。

日本初 ウーバーイーツで焼き芋を売った男

それは田野町で生産された、「紅はるか」。その甘さとおいしさに驚嘆し、自分でも焼いてみたくなった。焼き鳥店の仕事の合間に、焼き時間と温度を測定してデータを集めながら焼き続けるうちに、「焼き芋は科学だ」と思うようになる。徐々に、甘みが強くおいしい焼き芋を焼けるようになった。

タイミングよく登場したのが、ウーバーイーツだった。2016年に日本でサービスを開始したウーバーの初期の配達エリアは渋谷と恵比寿。同じエリア内に店があったため、さっそくウーバーイーツで売り出すと、「菅生の焼き芋はおいしい」とたちまち飲食店の経営者仲間に評判が広がり、注文が舞い込むように。

写真提供=SAZANKA
#ウーバーイーツで配達される焼き芋が評判に。