温泉などで「見栄むき」をしている人も…

さて、ここからは、ペニスの美容形成について、お話ししていきましょう。「せっかく手術をするなら、より自然な仕上がりにしたい」と、自費診療クリニック(保険適用外)で美容形成を受ける人が少なくないからです。

日本で包茎手術を受ける人はいったいどのような理由で手術を受けているのでしょうか。

20~30代ですと、「マスターベーションでは問題なかったのに彼女ができて、いざというとき、むけなくて射精に失敗した」「臭いがキツイと言われた」など、セックスをしたときに問題のあることがわかって手術を決断する人が多いそうです。

40~50歳以上になると、異性の目線ではなく、同性の目線を気にする人が増えるといいます。

なかには、温泉などで「見栄むき」をしている人もいるそうです。見栄むきとは、仮性包茎の皮を自分でむいて、あたかも「ズルむけ」であるかのように装うこと。男性は、ペニスの見た目に、そこまでこだわっているということです。

写真=iStock.com/Gyro
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人から見れば「なんで、そんなことを気にするの?」と思うことでも、本人にとっては深刻なコンプレックスになっていることは何も包茎に限ったことではありません。「美容形成で一重瞼を二重にしたら、長年の悩みから解放された」「歯並びを矯正したので、人前で堂々と笑えるようになった」というような話は珍しくないのです。

「国民生活センター」が注意喚起

手術を決意する動機はいろいろでしょうが、包茎手術によって自信を取り戻せたり、恋愛に積極的になれたりするなら、美容形成と同じように、包茎手術を受けることも選択肢に入れていいでしょう。コンプレックスを抱えて苦しんでいるより、はるかに人生が楽しくなるからです。

ここまでのことを整理して図表3にまとめました。

「独立行政法人国民生活センター」が、2016年に包茎手術を受ける人へのアドバイスを公表していますので、それも紹介しておきましょう(※2)

※2:独立行政法人国民生活センター.「美容医療サービスにみる包茎手術の問題点」 

消費者へのアドバイス5つ

①説明を理解して、納得できるまで契約しないこと。特に、即日施術・契約は厳禁です。時間をおいて本当にその施術を受けるか、施術内容が自分の求めるものかを冷静に判断し、特に、即日施術の必要性が医学上認められない場合には、即日施術は避けましょう。なお、仮性包茎は「ナチュラルペニス」であり、正常です。
②施術の内容を理解し、不要な施術は断りましょう。
③効果だけでなく、リスクについてもしっかり説明を受けましょう。
④ホームページや広告の情報を鵜呑みにせず、情報を集めましょう。
⑤トラブルにあった場合は、消費生活センターへ。一人で悩まず、早めに相談しましょう。