なぜ藤井聡太さんは「自由」と言ったのか

こうやって整理してくると、将棋は、法的判断以上に窮屈で堅苦しい世界のように見えます。ところが、将棋が強い人たちは、そうは思っていないようです。

木村草太『将棋で学ぶ法的思考』(扶桑社)

私は、朝日新聞の企画で、藤井聡太竜王・名人にインタビューさせてもらったことがあります。「子どもたちに将棋についてどんなことを伝えたいですか?」と伺ったところ、藤井さんは、「将棋は自由に指せるゲームなんだよ、と伝えたい」とおっしゃっていました。

これは、衝撃を受ける答えでした。将棋は全ての情報が完全に確定したところから始まるゲームですから、何を指しても枠の中という気もします。強くなるためには、守りを強くする形(囲い)を覚えたり、うまく攻められる手順を覚えたりと、たくさんの「型」を覚えなければいけません。「型」にはめられて、とても不自由な感じがします。

しかし、第一人者は「自由」だと理解している。

「固い枠があるのに、すごく自由」というのは、どういう意味なのか。本書で引き続き考えてみましょう。

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