原材料に「植物油」と記載がないか意識する

とはいえ、炎症の症状が必要以上に強くなると重症化し、非常に苦しい思いをし、治るまでに時間がかかります。ちなみに、アレルギー性疾患も免疫の反応によって起こる病気で、あのつらい症状も炎症によるものです。

では、脳で炎症が起こるとどうなるでしょうか? 脳の働きが低下します。頭がボーッとしたり、記憶力が低下したり、疲れやすくなったり、頭痛がしたりといった症状が現れます。この状態で勉強しても、記憶力や集中力は低下しています。

このように、オメガ6系は、体に必要な脂肪酸である反面、とりすぎてはいけない脂肪酸なのです。

ところがオメガ6系は、含有量に差があるものの、野菜や果物、肉、魚などほとんどの食品に含まれています。まったく含まない食品はごく限られています。

にもかかわらず、現代の食生活では、オメガ6系の油を調理で主に使います。その油とは「サラダ油、ひまわり油、大豆油、コーン油、ゴマ油」などです。

いかがでしょうか。これらの油を加熱調理で日常的に使ってはいませんか?

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しかもオメガ6系の油は、加工食品、レトルト食品、ファーストフードにも多く使われています。原材料に「植物油」とあれば、ほぼオメガ6系を主成分とする油です。オメガ6系を主成分とする油は安価で、加工食品などでも使いやすいのです。

野菜や肉などの食材に含まれるオメガ6系は、避けることはできません。ですから、まずは調理油をかえるとともに、「植物油」と記載されたレトルト食品、ファーストフードを食べる頻度を意識して減らしましょう。

「ゴマ油」だけは風味づけに少量使う理由

では、加熱調理にはどんな油を使うとよいでしょうか。

オリーブオイルは、オレイン酸というオメガ9系脂肪酸を主成分としています。オメガ9系は非必須脂肪酸であり、必須脂肪酸のバランスを乱す心配がない栄養素です。また、オレイン酸は消化吸収を助ける働きがあります。胃腸にやさしい油なのです。

オリーブオイルには種類がいくつかあります。エクストラバージン(EV)オリーブオイルのほかに、「精製オリーブオイル」「ピュアオリーブオイル」「オリーブオイル」などです。

EVオリーブオイルは、そのなかでも最高ランクで、抗糖化作用と抗酸化作用に優れたポリフェノールという栄養素が豊富です。

この油は、香りがよくフレッシュであるため、生のままとることが推奨されます。しかし、加熱できないわけではありません。「加熱調理に使うのはもったいない」というだけの理由です。

脳細胞を元気にする食事づくりをしていくためには、加熱調理にEVオリーブオイルを使うといいでしょう。ただし、品質が高いぶん酸化しやすいため、なるべく早く使い切ることが重要です。

ちなみに私は、オメガ6系の油のなかでゴマ油だけは風味づけに少量使います。それによって食欲が高まりますし、塩分を控えめにできます。

「絶対にダメ」と禁止事項をつくるのではなく、使うときには少量にしたり、使用の頻度を減らしたりする。禁止事項が増えると、子どもは食事を「面倒」と感じます。

食事はおいしく楽しく笑顔で! これも受験メシの大切なポイントです。