3カ月で5kg減を成功させた「1分」でできる食べ方

何をしても痩せないことがそもそもの悩みなのに、どうやって体重の7%を減量すればいいのでしょうか。その答えが、私が担当する佐久市立国保浅間総合病院のスマート外来の患者の8割が3カ月で5kg減を実現している“食べ方”にあります。

食べ方ポイントは大きく3つあります。

ポイント1 満足感を維持しながら“ゆる主食”を楽しむ

脂肪肝のおもな原因は糖質の“とりすぎ”です。糖質が過剰になることでエネルギーとして使われなかった糖が、中性脂肪になって肝臓の細胞に蓄えられていきます。とはいえ、問題なのは糖質の“とりすぎ”であって、ゼロにする必要はありません。

1食の糖質量は20〜40g。1日のトータルは130gを上限にしましょう。

主食であれば、1食当たりのご飯の目安量は70g。茶碗1杯でご飯150gなので、茶碗の半分ほどになります。この量を守れば、摂取する糖質量が25g程度になり、おかずを十分にとっても糖質量が増えすぎません。主食は“ゆるく食べる”のが長く続けるコツです。

その代わりに肉や魚、野菜のおかずをしっかり食べること。糖質は三大栄養素のうち消化吸収にかかる時間がもっとも少なく、腹持ちがよくありません。一方で、肉や魚などに含まれるタンパク質や脂質は腹持ちのよい栄養素です。野菜に含まれる食物繊維は消化吸収されずに、他の栄養素の消化吸収も遅らせるため、さらに腹持ちのよさに貢献します。

ただし、同じ糖質とはいえ飲料に含まれる糖質は吸収スピードが早く、肝臓に与えるダメージが大きいです。野菜ジュースや、乳酸飲料、スポーツドリンクなどの清涼飲料水などの甘い飲み物は避けましょう。

ポイント2 手間は最小限に野菜を増やす

主食を減らすと同時に、そのぶん食物繊維が豊富な野菜を増やしてください。食物繊維の摂取が減ると便秘を起こして、減量の妨げになりやすいからです。

野菜を洗ったり、切ったり、下ゆでしたりする手間はできるだけ省いてかまいません。がんばりすぎるのは禁物。

スーパーやコンビニに行けば、炒め物用やサラダ用といったメニューごとのほか、野菜の種類別など、さまざまなカット野菜が販売されています。また、ほうれん草やブロッコリー、オクラなどの冷凍野菜も豊富です。必要なぶんだけ使えて食品ロスの心配もありません。冷凍庫にストックしておきましょう。

包丁を使わずに食べられるミニトマトやレタスも、手間がかからない“お助け野菜”です。

ポイント3 コスパ&タイパが抜群の高たんぱく食品を活用

肝臓から脂肪を落とすには筋肉量を増やすことも重要で、筋肉の材料になるタンパク質の摂取は欠かせません。

残念ながら、タンパク質は体内に蓄えておけないため、こまめにとる必要があります。1日3回の食事でタンパク質を毎食20〜30gとるのが理想です。

そこで、開けたらそのまま食べられる“高タンパク食品”を常備することをおすすめします。

下に紹介する7つの高タンパク食品は、特売日にまとめ買いすればコスパがよく、熱湯を沸かして3分待たなくてはいけないカップ麺よりもずっとてっとり早く食べられる、最強のタイパ食品です。

“主食をゆるく食べる”お助けテク

基本的な食べ方の方針がおわかりいただけたでしょうか。

尾形哲『専門医が教える 1分で肝臓から脂肪が落ちる食べ方決定版』(KADOKAWA)

とはいえ忙しい毎日を送っているのに、減量のためにやることを増やすのは現実的ではありません。日常のなかで少しでもラクをしながら、“肝臓をいたわる習慣”を身につけていくこと。これが、継続のカギです。

生活のなかに取り入れて、無理なく取り組んでみようと思える時間の目安は1分! そこで、「目分量で主食の量を量る」「盛り付けを工夫する」「アレンジを楽しむ」など、1分以内にできる“主食をゆるく食べる”お助けテクを紹介していきましょう。

ここで紹介するものは、実際にスマート外来の患者さまがたが実践し、減量に成功した方法です。