醤油や味噌といった麹発酵食品の可能性

麹には、グルコシルセラミドという成分が含まれています。これは、セラミドという脂質にグルコース(ブドウ糖)がくっついたものですが、ブラウティア・コッコイデスは麹の持つグルコシルセラミドをエサに増殖します。

内藤裕二『健康の土台をつくる 腸内細菌の科学』(日経BP)

発酵食品の中でも麹菌で発酵させる麹発酵食品は日本特有のもので、醤油や味噌がおなじみです。京丹後でも、味噌など麹発酵食品はよく食べられています。

ブラウティア属の菌は、ビフィズス菌同様に、代謝物として酢酸をつくります。酢酸は有害菌の増殖を抑制し、腸管上皮の傷を修復する働きがあり、大腸に酢酸があると、細菌やウイルスにくっついて粘膜からの侵入を防ぐIgA抗体の産生量が増えることも確認されています。

腸内細菌を制御するカギがIgA抗体だという説がありますが、もしかしたらそれが正解かもしれません。日本人の腸では、日本人の食生活に合う菌が、欧米では欧米の食生活に合う菌が、長寿を支えているのではないでしょうか。

※腸内細菌の分類名は新しくなっていますが、この記事では旧分類で解説しています。

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