満点狙いではなく「60点主義」でいこう

講演会に呼ばれて人前で話すときも、「参加者全員に感動してもらえなければ失敗だ」などとはつゆほども思いません。「講演会にムリヤリ参加させられた人もいるだろうから、10人中2、3人に喜んでもらえれば十分かな」と考えて話すようにしています。大学の講義でも、全員に好かれようなどという不可能な目標は、最初から立てたりしません。

何事もそうだと思うのですが、完ぺきにやろうとしても、できるわけがないのです。

80点主義、いや60点主義くらいでいたほうが、行動は起こしやすくなります。

満点をとろうとすると、余計な緊張や不安を抱え込むことになり、いつまでも行動できないままになってしまいます。

自分が努力することによって100点をとれるのであれば頑張ることにも意味があるかもしれませんが、物事がうまくいくかどうかは「運の要素」もかなりありますよね。頑張っても頑張っても、100点はとれないということは往々にしてあります。

どれほど完ぺきな企画書を作成できたとしても、お客さまやクライアントがその企画書を採用してくれるかどうかはわかりません。

自分では100点の出来栄えの企画書だと思っても、相手も100点をつけてくれるかというと、そういうわけにはいかないのです。

あまり完ぺきにやろうとせず、「ほどほどにやれればいい」と考えることが、行動しやすくするコツです。

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他人の評価はいくら考えてもわからない

他人からの評価を気にしすぎてしまうことはありませんか?

「相手はどう思うだろうか?」と考えすぎてしまうと、行動できなくなってしまいますから、人の評価はあまり気にしないほうがいいですよ。私たちは超能力者ではないのですから、相手の考えなどわかるわけがないのです。

企画書を作るときでも、「お客さまはどんな風に感じるだろうか?」と相手の評価を考えすぎると、いつまでも企画書の作成に取りかかれなくなってしまいます。

相手がどのような評価をしてくれるのかは、まさしく「神のみぞ知る」ことですので、いくら考えてもどうせわかりません。そのようなところにムダな力を注がないようにしましょう。

自分自身の判断で、「これでいい」と思えれば、それでいいのです。

米国ラバーン大学のグォック・ブイは、72名の大学生に、「私立大学と、公立大学の教育のそれぞれの長所と短所を論ぜよ」というレポート課題を出しました。論文は15日以内に提出しなければなりません。

課題を伝える際、あるグループの人には、「みなさんの書いたものは、後日、高校生の前で読み上げてもらうことになっています」と伝えました。他人に見られて評価されますよ、と伝えたわけです。

すると、このグループでは課題の提出までに平均15.83日かかりました。

期日は15日以内でしたので、締切りを守れなかった人も多く出たわけです。