目標を「立てること」で満足してはならない
シカゴ大学のアイレット・フィッシュバックは、スポーツジムに通っている103名を対象に、トレーニングを始める前に、半分の人には、「あなたの目標は?」といった質問をたくさんしてみました。目標に意識を向けさせるためです。
残りの半数には、そのトレーニングを「いつから始めましたか?」という質問をしました。
それから、すべての人に「今日はどれくらいトレーニングするつもりですか?」と見込みの時間も聞いてみました。
そして、彼らがトレーニングを終えて帰ろうとしているところでもう一度声をかけ、「今日はどれくらいトレーニングをしましたか?」と実際のトレーニング時間を聞いてみました。
その結果、目標について聞かなかったグループでは、予定が38.25分、実際は43.09分と、予定より長くトレーニングを行なっていました。
しかし、トレーニングをする前に自分の目標について考えさせたグループでは、予定では46.59分、実際には33.93分と、実際のトレーニング時間が減ってしまっています。
目標を立てるのは基本的にはいいことです。目標を立てるとやる気が出ますから。
けれども、目標を立てることだけで満足してしまい、行動できなくなることもあるということは覚えておいたほうがいいでしょう。
行動しなくなるくらいなら、少々見切り発車でスタートしてしまったほうが、かえって良い効果を生むこともあります。
(イラストレーション=神林美生)