「話しかけない」のがベスト

例えば、お絵描きをしているときは話しかけないのがベストです。

途中で「すごーい」や「えらいね」などと言わないのがおすすめで、「これ何?」「何描いてるの?」といった質問もいらないのです。

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「話しかけない」のがベスト(※写真はイメージです)

それが学校の成績や将来の進路につながるかつながらないかは、その時点では誰にもわかりません。それでも、費やした時間や集中力は後々必ず大切な財産になります。「好き」を見守ることこそが、自己肯定感を伸ばすことにつながるのです。

「お手伝いにお小遣い」実はNG

「お手伝いが子どもの発達にいいって聞いたから、食事の前に家族のお箸を並べることから任せてみました。何日か続けてくれたから、もっとやる気を出してもらえるように1回につき10円のお小遣いをあげたら、しばらくは喜んでやってくれるようになったんだけど……。今朝になって洗濯物をカゴに入れるように伝えたら、『それも10円くれる?』と言うようになってしまって……。どうしたらいいのかな?」

先日こんな相談を受けました。これ、すごくよくある相談内容なんです。

「小さな成功体験を積むことは自己肯定感を育むのに大事」、本やネットではしばしばこのような説明がされます。

日本には昔から、「新聞を取ってきたら10円もらえる」のような小さなお手伝いとお小遣いの文化がありました。

私自身は、「なごみ系のほっこり文化」として、肯定的に感じることもあるのですが、この小さなお手伝いに対するお小遣いは、自己肯定感の観点からはおすすめできる行為ではないといわれ始めています。