離婚後の後始末

最終的に白柳さんは、不倫相手と夫から300万円ずつ慰謝料を受け取り、夫からは子ども1人当たり8万円の養育費を払われ、月2回の面会交流を約束して離婚。購入して5年の家には白柳さんと子どもたちが暮らし、夫は不倫相手のアパートに転がり込んだ。

夫の不倫や離婚についての両親への報告は、白柳さんにとっては気が重い作業でしかなかった。

「世間体を気にする母は、『離婚なんて恥ずかしいからやめなさい』『あなたが悪かったから不倫されたんじゃない?』父からは、『1度の不倫くらい我慢しろ!』なんて言われるのかなと想像していました」

しかし違っていた。

「そんな大変なことになっていたのにどうして相談してくれなかったの⁈ 1人で戦うことないでしょ! まぁ、あなたは昔から大事なことは1人で決めちゃうからあなたらしいけどさ」

と母親はため息混じりに言い、

「お前、慰謝料の請求はするのか? 徹底的にやれ。お前はお金に無欲だからそこが心配だ。お前だけじゃなく、子どもたちにも関わるんだから、慰謝料も養育費も財産分与も取れるだけ取れ」

と父親からは冷静に指示され、肩透かしを食らう。思わず、

「不倫を許せとか離婚するなとか、そういうことは言わないんだね?」

と訊ねると、

「何言ってる!」

と両親の声が揃い、

「たくさん考えて決めたことでしょ? 反対なんてしないよ。これからは助けるから!」

と母親が言った。

白柳さんは今さらながら、家族の温かさを再認識できて良かったと思った。

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