目標から逆算して働く必然性を伝えていく

例えば、子供が欲しいと考えているなら「子供ができたときのために蓄えが必要だよね」と伝えて同意してもらいます。

もちろん人によって考えは違うので、子供のため以外に、老後資金やら親の介護、車でも住宅購入でも、将来的な貯蓄の目的になるならなんでもいいです。そうやって同意を得たら、給料から自動積み立ての定期預金を設定します。その額を今までの生活を維持するにはギリギリで厳しくなるくらいにしておくわけです。

ポイントは、「生活維持が難しいレベルの貯金をする必要がある」ことへの同意を得ることです。すると、あえてこちらから「働いたら?」と言わなくても、自ら「そろそろパートぐらいしたほうがいいかもね……」という考えになったりすると思うんですよね。

「他人に迷惑をかけるな」という説得はムダでしかない

【高齢の親に免許を返納させたい】

・ダメな言い方
事故を起こしたら大変だよ?

・うまい言い方
事故を起こしたら、孫に会えなくなるよ?

世の中には話し合いで解決できる問題と、解決できない問題があります。話し合いで解決できない問題なのに話し合いをするのは時間のムダ。場合によっては問題がより深刻になることもあります。

高齢者の免許返納問題というのは、これに近い話です。恐らく、周りの人は「事故が起きたら大変だ」とか、「他人に迷惑をかけるな」と説得するでしょうが、本人の意思が変わらない限り何を伝えてもムダなわけです。そもそも免許返納を拒否する理由は、「自分が衰えていることを認めたくない」というプライドや、「車が使えず自由に移動できないのがイヤだ」というものです。

どちらにせよ、本人には今の状況を変える気はありません。それなら、「運転をしないほうがベターである」という理由を伝えるのがいいです。

写真=iStock.com/byryo
※写真はイメージです