収入が減る場合は“別のメリット”を伝えるべき

ここで気をつけるべきは不安要素と未来の期待度をなるべく具体的に話すこと。

収入を気にしているなら、「当面の収入が半分になっても、売り上げが毎月10%上昇しているので、半年後はサラリーマン時代と変わらない収入になる」とか、「副業に専念すれば、半年後には今の収入を超える」とかです。

ここまでハッキリと言い切れない場合は、例えば「本業の収入の8割までいったら副業をメインにしていい?」という感じで、数値目標を立てて説得するといいのではないかと思います。そうやってお互いが納得する“落としどころ”を事前に決めたほうが、後ですんなりと話が進むと思います。

ちなみに収入がやや減る可能性があるときは、“別のメリット”を加える手法もあります。例えば、独立して自宅で仕事をするようになるなら、「今までより家族の時間を取れるようになる」とか「子供の世話や家事がもっとできるようになる」とかです。こういうメリットと組み合わせて提案してみるのもポイントですよ。

「働いてもらいたい」という態度はNG

【専業主婦の奥さんにも働いてもらいたい】

・ダメな言い方
暇だったら働いてみたら?

・うまい言い方
先のことを考えると、貯えが必要だよね

総務省の「令和2年国勢調査」によれば、専業主婦世帯の39%は子供がいないらしいです。そして、子供の数と専業主婦(共働き)世帯の割合には関係があって、「子供1人→39%」「2人→45%」「3人→13%」「4人以上→3%」と、子供が多ければ多いほど共働きになる傾向があるそうです。

このことからわかるのは、子供がいようがいまいが「生活ができているなら働かないし、生活費が苦しい状況なら働く」ってことだと思うのですね。

基本的に人は「苦痛を感じてまで働きたくない」と考えるのが普通だと思います。なので、この先にお金が必要になるという焦りが一切なければ、今の生活がカツカツであっても、「なんとか生活が回っているのであれば無理に働かなくても……」となるのが普通です。そんな前提のうえで、奥さんに働いてもらいたいと考えるなら、「働く気持ちを持ってもらう」というのを目的に設定するのがそもそも間違いなのです。

そうではなく、「奥さんが働かざるを得ない状況にする」ということを目的にしないといけません。

口論をする夫婦
写真=iStock.com/takasuu
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