「たったの16年で社会は大きく変わる」

第2位は『池上彰の未来予測 After 2040』でした。わかりやすいニュース解説で支持される池上彰さんが、「仕事」「教育」「自然災害」「暮らし」「健康」の5つのカテゴリーで「2040年の世界」を予測する一冊です。

池上彰『池上彰の未来予測 After 2040』(主婦の友社)

特に多くの読者が気になるのは「仕事」のパートでしょう。「AIは私たちの仕事を脅かすのか?」という問いを設定した上で、「AIにより若手が育たなくなる」「日本のアニメやマンガも中国の下請けに」など、誰もが無関心ではいられない話題について、池上さんならではのやわらかい語り口で教えてくれています。

冒頭で指摘されるのは「たったの16年で社会は大きく変わる」ということ。2040年というと現在から16年後です。16年前の2008年は、日本で初めてiPhoneが発売された年であり、そこから私たちの生活は大きく変わりました。これと同じくらい大きな変化が2040年までに起こるかもしれないと想像してみてください。きっと「これまでの経験がまったく通用しなくなるかもしれない」とリアルに実感できるでしょう。

さまざまなテーマについてわかりやすく解説されている本書は、これからの生き方や働き方を考えるきっかけを与えてくれます。学生から若手ビジネスパーソン、すでに仕事をリタイアした人まで、幅広い世代の必読書だといえるでしょう。

雑談がうまい人の「自己紹介フレーズ」

第3位には『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』がランクインしました。

松橋良紀『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)

本書では、30年以上にわたって話し方や聴き方のスキルを研究し続けてきた松橋良紀氏が、「うまく雑談できる人」と「できない人」を比較しながら、雑談がうまい人の習慣や工夫をまとめています。

まず取り入れたい「習慣」は、自己紹介フレーズを作ること。

大した準備をせず会社名と名前だけを言って済ませるのは、まるで「私を覚えないでください」と言っているようなものだ――。著者はそう指摘しています。

その上で本書では、自己紹介に盛り込むとよいポイントを3つ挙げています。

①何で覚えてほしいか
(例)聴き方を教えるセミナーを主催している、一般社団法人日本聴き方協会の代表理事、松橋良紀と申します。
②名前の解説
(例)松橋と申します。松の木の松に、ブリッジの橋で松橋です。英語でパインブリッジです。
③エピソード
苦労話とそこから這い上がったエピソードを組み込むと、インパクトのある自己紹介になる。

本書の「習慣」を取り入れるだけで、あなたの雑談はレベルアップし、印象に残る人になれるでしょう。