「フロー書類」と「ストック書類」に分ける

以前の調査では、ひとり当たりの紙を積み上げると、なんと4メートルほどになった。新型コロナウイルスの感染拡大による「在宅ワーク」が増えて、書類のデジタル化が随分と進んだと思うが、それでも2~3メートルはあるのではないかと思う。

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会議ではまだまだ書類が配られるし、提出書類も紙のものが多い。そういった書類(もの)を「机上面」と「引き出し」と「収納庫」というハコに分けて入れている。ちなみに机の引き出しには、一段目は「文房具」、二段目は「私物」が入っていることが多く、「書類」の収納として有効なのは三段目だけだ。

さてこういった、デスクの上の書類はどう分ければ「整理しやすい」になるのだろうか。

書類は「フロー書類」と「ストック書類」の2つに分けられる。「フロー書類」とは、日々の仕事で使って「不用になったら捨てる書類」。たとえば、会議資料や提案書などである。「ストック書類」とは、経理の帳票や営業上の契約書類などの「めったに見ないが長期保管している書類」だ。

「ストック書類」については電子ファイリングなどのしくみが浸透しつつあるが、契約書など当面はバインダーに綴じておくことも多いだろう。これらは、保管期間が定められていたり、取引先とのトラブルを避けるために保管したりするので、個人の判断で勝手に捨てるわけにはいかない。

そのため、日常的な会議資料や連絡資料などの「フロー書類」をどのように分けるかが、机の上を片づけやすくする最大のポイントになるわけだ。

こうすれば書類の9割は「捨てやすい」

日々手元に舞い込んでくる「フロー書類」は、どうすれば上手に片づけることができるのか。

結論から言うと、これらの書類を整理するには「捨てられるものを分ける」から「残すものを分ける」への思考の転換が必要になる。

誰かから渡された書類の中から、「捨てられるもの」を探してはいけない。「残すもの」だけを厳選して分けるべきだ。そうすれば、渡された書類の9割はすぐに捨てられる。

まず、フロー書類を3つに分ける。

1、使う
2、使わない
3、使うかわからない

一般的に、手元の書類は「使う」か「使わない」かで分けようとすることが多い。しかし、「もしかしたら使うかも」「あとあと必要になるかも」という書類ほど捨てにくいものだ。

だからこそ、この段階では3つ目の「使うかわからない」を残しておく。賢明な読者の方なら、もうお気づきだろう。前項の服の片づけでお伝えした「3軍」にあたるものが、ここで言う「使うかわからない」だ。