大谷翔平の名言2
完璧な1試合の延長線上に完璧な1年がある 『Number』1094・1095
『Number』1094・1095(文藝春秋)

大谷翔平の目標は「世界一の野球選手になる」ことです。

大リーグに移籍して以降、2度のMVPや本塁打王が示しているように、挙げている数字は素晴らしいものですが、大谷自身は「打率3割、40本塁打」といった目標を追うよりも、野球の技術をどこまで高めることができるか、野球人としてどれだけ成長しているかを大切にしています。

はるか高みを目指しているのはたしかですが、それよりも「1日1日の継続」を何より大切にしています。日本ハムに入団した当時、大谷の頭の中には「1年目はこう、2年目はこういうことができるように、3年目はこうだ」といった漠然としたプランはあったといいますが、それほど鮮明なものではなかったといいます。

むしろ目の前の1日1日を悔いのないように送り、1年が終わった時に次を考える、という

5年間でした。こうした考え方は大リーグに移籍してからも変わっていません。

根底にあるのは積み重ねを大切にする考え方です。2023年のシーズン中、「健康でシーズンを終われれば。健康に1日、1試合をこなしていくのが目標」と話しています。

同時にこうも言っています。

「完璧な1試合の延長線上に完璧な1年がある」

大谷によると、大リーグで長く活躍する選手というのは、打者にしろ、投手にしろ、ポストシーズンとか、ここは絶対に勝たなければならない試合を見極める能力が備わっており、そういう試合に全力で臨み、なおかつ自分の全力を出すのが上手い。それに対し、大谷自身は、1試合の爆発力はあるものの、5年、10年というスパンで見た時のメリハリは足りていない、といいます。

つまり、1年間いいクオリティを保つためには、目の前の試合で出し尽くしながらも、一方で1年のスパンを考えていかに力を抜くかも求められるわけですが、「ペース配分をしていく器用さがない」と自らを分析しています。

たしかにシーズンを戦い抜き、ポストシーズン、ワールドシリーズと戦い続けるためにはペース配分も必要なのでしょうが、理想は大谷が言うように「完璧な1試合の延長線上に完璧な1年がある」です。

目の前の1試合と日々の積み重ねを大切にしながら、充実した日々を送ることが結果高みに登ることになる。それが大谷の考え方です。

ワンポイント:1日1日の積み重ねを何より大切にする。全力の1日を経て大きな目標が達成できる。