Twitterは炎上だらけの荒涼たる場に

私はUIの変更が大きいと思う。いつのまにか一番左に「おすすめ」のメニューができ、開くと最初にそのタイムラインが目に飛び込んでくるようになった。

Twitterは、あくまで自分がフォローする人々の投稿を読むツールだった。リストも自在に作ってフォローする人々をさらに分類して、情報を入手できる。主体はユーザー側にあり、自身が選択した情報を得るツールだった。

「おすすめ」はどういう仕組みかはわからないが、おそらく「ホットになりかけ」の投稿が表示されるのだと思う。だがそれは「炎上寸前」と同義だ。たくさんいいねされたりコメントが多数ついている投稿、つまり人々が強く支持したりイチャモンをつけている投稿が表示される。

それをまた読んでリプライをつけたりすると本格的に炎上する。「おすすめ」は炎上製造メニューなのだ。大きな声の人の投稿が、より大きく拡声される。それがこちらに選択権なく次々に表示される。

かくて、自己主張したい人の投稿や、何かの告発、激しい罵りの投稿がより拡散されやすくなり、Xはそこいら中で荒々しい言葉が乱れ飛ぶ、恐ろしい場に成り果てた。また、「インプレゾンビ」と呼ばれる、インプレッションを稼ぐためだけに無意味な投稿をするアカウントが増え、Xをさらに荒涼たる場にしている。

写真=iStock.com/metamorworks
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かつては人と人をつなぐコミュニティがあった

私は2009年からのTwitterユーザーで、当時は私のブログを読んだ見知らぬ人々が感想を寄せてくれてコミュニティが生まれ、やがてそうした人々と実際に会うようになり勉強会を開くようになった。「メディアコンサルタント」の肩書きで活動する私が生まれたのはTwitter上だった。

だが最近は、7000人フォロワーがいても、反応が薄くなってしまった。7000人のうち大半は、いまのXの荒れた空気に嫌気がさして投稿を見なくなっているのではないかと推測している。

私自身も、自分の投稿にリプライされると、どんな人物かその人のプロフィールや過去の投稿をチェックして、安心できてからリプライを返すようになった。安易に関わると、おかしなやり取りに巻き込まれかねないからだ。