年代によってよく利用するSNSは大きく異なる。メディアコンサルタントの境治さんは「私は自分の活動をアピールする場としてFacebookを活用しているが、最近は怪しい広告が増えていかがわしい雰囲気になっている。もともと若者の利用率が下がっているのに、中高年ユーザーまで離れてしまっては、社会インフラとして機能しなくなるかもしれない」という――。
Facebookのトップページ
写真=iStock.com/luchezar
※写真はイメージです

新しいメッセージが届いたと思ったら…

私はFacebookのヘビーユーザーで、一日中のぞいている。8月のある日、PCでFacebookを開いたら、右上のメッセージアイコンに赤い数字がついていた。Facebookユーザーの皆さんならご存じの通り、メッセージが届いていることを示している。

すぐさまアイコンを押してメッセージを読もうとした。押しながらしまったと思った。本物のメッセージアイコンではなかったのだ。

Facebookに表示された「怪しいメッセージ」
筆者提供
Facebookに表示された「怪しいメッセージ」

メッセージアイコンは一番上の右側、私のアイコン、通知を示すベルのアイコンの次の吹き出しのようなマーク。私が押してしまったのはその下の「広告」欄にある、メッセージアイコンそっくりのマークだった。「新しいメッセージ。今すぐチェックしてください!」とまで書かれている。

ここは広告欄なので、通常は企業や商品のバナー画像と、短いメッセージが載っている。だがこれは、広告欄にメッセージアイコンと同じマークで、誤って押させる魂胆のニセアイコンだった。

まさかの楽天が最低最悪の広告を打つなんて

気づいた時はもう遅く、反射的に押してしまった私はなんと、楽天市場のトップページに連行された。用のない私はもちろん、すぐさまサイトを閉じた。

驚くとともに、大いに腹が立った。楽天のような大手企業がこんなに姑息なニセアイコン広告を使うとは。ユーザーを騙してwebサイトに強引に連れて行ったのだ。

しかも輪をかけて姑息なのは、本来広告主のURLが表示されるべき箇所に「online.messenger」として、楽天とは一切表示していないことだ。楽天市場は邪悪な企業に成り下がってしまったのだろうか?

しかも、この広告で楽天市場のページにたどり着いたとしても、私のように不愉快になりすぐさまページを閉じてしまうだろう。クリック率にはカウントされるだろうが、何の効果もない。広告担当者が、クリック率を上げて上司に報告したいだけの最低最悪の広告だと思う。

楽天市場の担当者だけでなく、Facebookの広告担当者はこんな詐欺と言っていい広告を咎めることなく掲載していいのだろうか? 広告審査を通したのだろうか? Facebookは、詐欺の片棒を担いでいる場合ではないと思うのだが。