モバイル系ならお得に「ポイ活」できる

モバイル系はauじぶん銀行(au)とPayPay銀行(SoftBank)、楽天銀行(楽天モバイル)です(図表3)。

筆者作成

楽天銀行は便宜上モバイル系に分類しましたが、ECサイト「楽天市場」が市場を確立した後、2001年に開業しました。現在は楽天銀行を中核とする金融事業とグループ内の他の事業との相乗効果で楽天経済圏の競争力を高めています。

モバイル系は、○○Payと呼ばれるキャッシュレス決済を利用する際に、所定のクレジットカードと紐づけることでポイントが貯まりやすくなっています。いずれもグループに証券会社を持ち、銀行と証券会社が連携することでスムーズに投資商品の売買ができるよう利便性を高めています。

また、宝くじやスポーツくじの購入、競輪や競馬などの公営競技の投票がネットで簡単に行えるのも共通です。サービスの利用状況次第で、それぞれPontaポイント(auじぶん銀行)、PayPayポイント、楽天ポイントが付与されます。各行が発行するクレジットカードでそれぞれの経済圏で買い物等をすることによってさらにポイントが貯められます。

普通預金金利も自行への貢献次第

3行とも自前のATMを持たず、提携先のATMを利用することになり、手数料のお得感はイマイチです。それぞれの経済圏での消費行動次第では優遇がありますが、基本的にはキャッシュレスを中心とするモバイラーを主要顧客層としているのかもしれません。

auじぶん銀行は本業収益の約6割を貸出金利息が占め、その9割が住宅ローンです。PayPay銀行と楽天銀行は4割程度が貸出金利息で、4~5割が役務取引等収益で、デビットカード関連の手数料、金融商品仲介手数料、外貨預金や仕組預金(※2)に係る手数料等が含まれるようです(※1)

3行とも金利の優位性はさほどでもなく、定期預金獲得でしのぎを削る意図はなさそうです。取引状況に応じて普通預金金利が上乗せされますので、やはり各行が展開する経済圏での貢献次第ということになります。

(※2)デリバティブ(金融派生商品)を組み込むことで好金利を実現した、特約付きの定期預金