空間を立体的に捉えればより有効活用できる

また、探しやすく取り出しやすい状態で保存するには、データにタグを付けたり、検索にひっかかりやすいキーワードを書き込んでおくといったことも効果的です。

私の場合、「後で探しやすくする」という観点で、資料データの表紙やメールの自己署名欄などに「自分だけがわかるキーワード(=検索フック)」を書き込んでいます。「この企業は訪問時に、事前に送ってもらった来訪者QRコードの提示が必要だ」と思ったら、「(社名)QR」と書いておき、そのキーワードで検索すると素早く必要なメールを探し出せます。このように検索フックをつけておくことも、取り出すことを前提としたセッティング=整頓には有効です。

⑤立体で発想する

森琢也『トヨタで学んだハイブリット仕事術』(青春出版社)

自動車の製造現場では、工具が天井から吊されていることがあります。必要な時に手元まで引っ張り、使い終わると自動で元の位置に戻る仕組みです。このように道具を配置する際は、机や台座の上(平面)だけでなく、立体で考えると、より「すぐ取り出せて、利用しやすい」セッティングが可能となります。

私自身も仕事場のデスク周りは、パソコンや筆記用具、ティッシュ箱、電卓を壁にかけるなどの工夫を行っています。机の上のスペースには限りがありますが、立体で発想することで収納領域は増えますし、何よりも手を伸ばせばすぐに届く環境をつくり出せます。

最近では、固定席がないフリーアドレスの職場も増えていますが、そんな方々も市販の縦置き型の収納バッグを活用して持ち歩くことで、瞬時に必要なものをすぐに取り出せる環境をつくり出すことができます。

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