愛子さまの皇族としての公務は控えめ
一方、愛子さまは、優秀な頭脳の持ち主で心優しい方であるのは確かだが、皇族としての振る舞いにはだいぶ苦労されているように見える。
学習院大学の最初の3年間はほぼ登校されず、リモート講義だけだった。4年目はゼミなどには参加されたが、大勢の一般学生がいる講義やサークル活動など一般学生との交流はほとんどないままで、学園祭にはお忍びで見学されたに留まった。
眞子さんは16歳、清子さんや佳子さまは19歳から単独公務を開始されてきた。愛子さまは今年5月の文学展見学をもって単独公務の開始とされたが、従来、単独公務の開始とされていたのは挨拶などを伴うものだ。
さらに、皇族は成年の儀を行い、その前月に記者会見に臨む。ところが、愛子さまの場合は準備ができていないと4カ月延ばされた。幸いこの会見はよく準備され、よい出来だったので安心したが、勝手に延期するのはよくない。
成年の儀のあとは、伊勢神宮・神武天皇陵・昭和天皇らの武蔵山陵への参拝が習慣だが、結局、割愛されたまま終わった(2年半後の卒業・就職報告の際には参拝)。宮中での「後宇多天皇七百年式年祭」といった祭祀には出席されているので、公務などしなくてよいと言う人もいるが、無理がある。
天皇の仕事は予定通り、決められた通りが大事
今年4月から始められた日本赤十字社でのお仕事も、不特定多数の職員や外部の一般人との接触を伴うものはなく、仕事以外でも時間に間に合わず遅刻や延期が多いと『週刊文春』(8月8日号)で報道されている。
愛子さまが慎重な完璧主義者でいらっしゃるのも理由らしいのだが、皇族の仕事は自分で納得するより、スケジュールに合わせてえり好みなく無難にこなすことが基本である。
個性を尊重して、限定的な公務を中心に、徐々に幅を広げていっていただくことを期待することになるが、これは少なくとも天皇としては向いたスタイルではない。
それでも、現行の皇室制度を変えてでも愛子さまを天皇にと主張する方は、「従来の象徴天皇としての公務はあまりしなくていいから密かに祈っていてくださればいい」と、象徴天皇のあり方を根本的に変えることが好ましいと判断されているのだろうか。