「話を聞いてほしい」と思う人が選ぶべき専門医の種類

本当に心療内科のトレーニングを受けているのであれば、そのほうが精神療法的なアプローチ(認知行動療法などの精神療法)も積極的に導入し、多角的な視点から心の問題を治そうという傾向があります。

そのため、心療内科では、ごくたまに精神療法のできる人が教授に選ばれることがあり、心療内科の専門医は全国でわずか300人しかいませが、ある程度の精神療法の教育を受けています。

というわけで、「話を聞いてほしい」と思う人は、心療内科の専門医のいるメンタルクリニックをおすすめします。

和田秀樹『「精神医療」崩壊 メンタルの不調が心療内科・精神科で良くならない理由』(青春出版社)

クリニックのホームページに載っている院長のプロフィールを見ると、その院長が心療内科の専門医か、はたまた精神科の専門医かはすぐにわかります。

精神科の専門医は、薬物療法中心の教育を受けている場合がほとんどなので、話をじっくり聞いてもらえる可能性は低いと考えたほうがいいでしょう。

ただし、心療内科の専門医は、軽度のうつ病までは診るものの、統合失調症のような重い精神疾患は診ない(診ることができない)というのが、一般的な不文律としてあります。

うつ病の患者さんであっても、自殺未遂を1回でもしたことのあるような人は、精神科の専門医のいるクリニックを紹介したり、精神科病院への入院をすすめたりする場合がほとんどです。

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