医師は今日も患者さんの説明に追われている

そもそも政府は、その国に住まう人が安心して生活することを保障せねばならないはずだ。けっして、不安にさせたり、慌てさせたり、焦らせたり、熟考を妨げたりしてはならないはずだ。

しかしどうだ。今の政府がおこなっているのは、マイナ保険証不保持者に根拠なき不安を覚えさせ、慌てさせ、焦らせ、熟考を妨害しているだけではないか。

今日も外来で、拙著を読んでくれたという90歳の患者さんに「マイナ保険証、どうしましょう? 作ったほうがいいのでしょうか?」と不安げに訊かれたので、私は「かかりつけ医」としてハッキリこう言った。

「慌てて作る必要なんてありません。私だってマイナ保険証どころか、マイナンバーカードさえ持っていませんよ。マイナ保険証がなくても今までどおり保険診療できますから安心して来てくださいね」と。

それはそれはホッとした面持ちで診察室を後にした患者さん。政府の詐欺的手口によって不安に陥れられた被害者たちを、現場では日々こうして手当てしている。

関連記事
「経験の浅いベテラン医師」がどんどん増える…「研修医に診てもらいたくない」という声に指導医が心配すること
アルバイトなしでは妻子を養えない…「19年働いて貯金200万円」大学病院の元勤務医が明かす地獄の給与事情
「無断キャンセル」より深刻でタチが悪い…ベテラン医師(62)が明かす「診察したくない迷惑患者」の三大特徴
なぜ自民党と新聞は「愛子天皇」をタブー視するのか…「国民の声」がスルーされ続ける本当の理由
新NISAで「オルカン」「S&P500」だけを買うのはおすすめできない…リスク回避で組み込むべき投資先