れっきとした国家資格「食品衛生責任者」

シャレが効いたものというわけではない……というか、オーソドックスな資格についてもお話しします。勉強せずに簡単に取れる資格の2つ目は、「食品衛生責任者」。

食品衛生責任者なんて、いかにも「勉強しました」っていうふうに見える資格ですよね? ところがこちら、意外にもあっさり取れてしまいます。

食品衛生責任者は、飲食店の営業や食品製造に携わる際に必要な資格で、厚生労働省が管轄するれっきとした国家資格です。

食品に関する正しい衛生管理知識を持って、管理できる技能を証明するために取得します。飲食店を営むには、1店舗に1人、この資格を持っている人を配置しなければいけません。したがって、飲食店の店長クラスや料理長はほとんど、この資格を持っています。

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講習会場は飲食チェーンの店長だらけ

僕は過去に牛丼チェーンの吉野家でアルバイトをしていたのですが、そのときにこの資格の存在を知りました。

店内の壁に食品衛生責任者のボードが貼られていて、店長の名前が書いてありました。それがすごく、かっこよく見えたことを覚えています。あとになって、それを思い出しました。

僕も将来、飲食店を営むことがあるかもしれません。取っておいて損はないだろうと、ネットで調べはじめました。

そこで、1日講習を受ければこの資格が取れることを知ります。「あんなにかっこよく見えた資格が、それだけで取れるの⁉」と驚きました。

ネットで申し込みをして、当日、会場に行きました。周りを見渡すと若い人から40代くらいの人までいて、年齢層は幅広い。何人かに話しかけてみると、ガストの店長や鳥貴族の店長など、普段よく利用する飲食チェーンの店長ばかりでした。

その中に一人、無関係の僕。よそ者感がすごい(笑)。皆さん、資格を取る動機は「店長になったらこの資格を持ってないとダメだから」という感じです。趣味でこの資格を取る人はあまりいないのでしょう。なんとなくスパイをしているような気分になりながら、講師の方による講習が始まりました。