副作用被害救済制度の対象外になってしまう

法律上は合法です。しかし、薬の副作用で悩まされた時のセーフティーネット、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外になるという問題があり、注意が必要です。

また、偽造薬物が多く出回っていると言われており、トラブルが絶えません。

偽造薬物が効かないだけでなく、死亡事例すら報告されています。

この類の薬は自由診療(100%自己負担)のものがほとんどであるため、医師の診察の元で手に入れるのに比べ、安価に手に入るメリットがあると思われますが、あまりにもリスクが大きすぎるのではないでしょうか。

専門家のサポートを受けられない

最後に、希望通りの薬を手に入れたとしても、身体にその薬を使って良いものかを自己判断することになります。

医師や薬剤師は、6年間の修学の上、国家資格に合格して毎日医療や薬に触れています。

そうした専門家のサポートを受けられず自分で判断するのはやはり危険がつきまとうのではないでしょうか。

医療用医薬品で、効き目が強い薬であるため、使い方を間違えれば治療どころではありません。

例えば、ED治療薬のバイアグラは、血管を拡張する作用が強いため、併用してはいけない薬(併用禁忌)や病気の人(禁忌)の組み合わせがたくさんあります。

鈴木素邦『その一錠があなたの寿命を縮める 薬の裏側』(総合法令出版)

自分でインターネットを調べたとしても、医療用医薬品の説明書は、専門家向けに作られた物ですから、知識がなければ読みとれません。

個人輸入代行を通じた薬の購入がいかに危険であるかお分かり頂けたでしょうか。

身体を壊してしまったら、お金をいくら出しても代替がききません。

身体を守るために、お得であっても個人輸入代行の薬を避けるのは必須です。

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