株主資本利率で「倒産しにくい会社」を見極める

株式投資をしたことがない人が必ずいう言葉が、「株を買った会社が倒産したら株式は単なる紙クズになってしまう」ということでしょう。上場会社が倒産するというのはそれほど多くはありませんし、財務諸表をきちんとみて投資をしていれば、倒産するような会社の株を買うこともないでしょう。

実は、私も倒産してしまうような会社の株を買ってしまうのがこわいので、財務諸表から安全性の高い会社をみつけようとしています。そのときの指標にするのが株主資本比率で、自己資本比率ともいいます。

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企業の賃借対照表(バランスシート、B/S)の借方(左側)には資産、貸方(右側)には負債と資本が記されています。負債は他人資本ともいい、期限が来れば必ず返さなければなりません。これに対して、資本(資本金、資本準備金、利益準備金及びその他剰余金の合計)は、株式市場から直接調達した資金と会社が活動した結果蓄えられた利益なので、返済する必要のないお金です。株主資本は「自己資本」あるいは「純資産」と呼ばれることもあります。

株主資本比率は、株主資本を総資本(他人資本+株主資本)で割ったもので、すべての資本のなかで返済する必要のない資本がどれくらいあるのか、その比率をみるものです。したがって、株主資本比率が高いということは、返済する必要のない安定した資本で事業を行っているわけなので、財務体質はよいということができます。

一方、株主資本比率が低いということは、返済期限のある負債の比率が高いということになります。支払利息などのコストがかかるだけでなく、銀行がその企業に貸しているお金を引き上げるようなことになれば、借り換えなどをしなければなりませんし、それができない場合は会社が行き詰まってしまうこともあります。