株式投資ではどんのように始めればいいのか。3年間で資産を20倍に増やした「しん」さんは、「解散価値は1株あたり2万円あるのに、株式市場での株価は1万円という会社がある。こうした会社の株式をみつけて買う『バリュー投資』がいい」という――。

※本稿は、しん『電子版 謎のトレーダー「しん」の〈株〉バリュー投資法』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

ベルギーのショッピングモールの窓に貼られた-50%のシール
写真=iStock.com/Alexandros Michailidis
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グレアムとバフェットが心の師匠

ベンジャミン・グレアムという人の名前は聞いたことはなくても、株式投資に興味を持っている人であれば、アメリカの投資家であるウォーレン・バフェットの名前は聞いたり、みたりしたことがありますよね。

実は、バリュー投資はベンジャミン・グレアムが始めた投資方法で、ウォーレン・バフェットはグレアムを師匠として勉強し、バークシャー・ハサウェイ社を買収し、その会社をベースにしていろんな会社の株式を買い、日本円で4兆円を超す個人資産を築き上げました。株の世界では立志伝中の人物です。

グレアムはバリュー投資のバイブルといわれる『賢明な投資家』『賢明な投資家・財務諸表編』『証券分析』などの本を出しています。一方、バフェットは自分で書いた本こそありませんが、多くの人がバフェットの人となり、投資手法について書いていて、あまたの本が出版されています。この2人の本の影響を受けてバリュー投資をはじめたので、先方は私のことを知りませんが、私は勝手におふたりを「師匠」と思っています。

本当の価値より安い株をみつけて投資する

バリュー投資というのは、ある会社の本当の価値よりも低い株価の銘柄をみつけてそれに投資をするという投資方法です。

もしも、私があなたに「私の1万円とあなたの2万円を交換してくれませんか」といったら、交換してくれますか。自分が明らかに1万円損すると知っていて、交換するはずはありませんよね。しかし、株式市場では2万円の価値のある株式を1万円で売ってくれるというような、信じられないことが起こるのです。