「個人の成長」か「組織の成長」か

今どきの若手の未来像は「組織の成長」よりも「個人の成長」に焦点が当たっていることが多いように感じます。「いかに自分が成長するか」「会社が自分をどう成長させてくれるか」を重視し、「会社という組織全体で成長する」という視点が抜けてしまうのです。

視点が個人の成長に向いていると、どうしても、ほかの人と競って「チームの中で自分がいちばん優秀」「同期の○○よりも勝っている/負けている」ということが気になってしまいます。わからないことがあったときも、人に聞くのは自分の弱みを見せるように思えてしまいますし、課題を指摘されると、負けたように感じて機嫌を損ねてしまう。「チームで協力し合うことで、目的を達成する」「チーム全体で成長する」といった発想にならず、人と協力することができなくなってしまうのです。

ですから、まずは先ほどお伝えした「最初に上司の側が話す」「最初に予告して、話の最後に質問させる」「ポジティブ:ネガティブ=7:3にする」という3点を実践しながらも、個人の成長だけを重視するといった発想を、変えてもらうことを考える必要があるでしょう。

「個人の成長だけでなく、チームや会社という組織全体で成長することが大事」と、何度も伝えることで、徐々に視点が変わり、「チーム全体で成長するために、自分は何ができるか」を考えられるようになってくるはずです。

(構成=池田純子)
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