パー券購入強要疑惑、キックバック疑惑…

Aさんの告発文書の5番目の「政治資金パーティー関係」と6番目の「公金横領、公費の違法支出」については、まさしく犯罪行為の疑惑であり、斎藤知事を含めてすべての証人を呼んで事実関係をしっかりと調べるべきである。

告発文書には、2023年7月30日の政治資金パーティーで、県内の商工会議所、商工会に補助金削減をほのめかせて、パーティー券を大量に購入させたとある。

また兵庫県信用保証協会の保証業務を利用して、パーティー券購入を依頼させたともある。いずれも関係者すべてを呼び、さらに関係書類を提出させて、事実を明らかにすべきである。

昨年11月23日の阪神・オリックスの優勝パレードの費用が集まらないので、地元信用金庫への補助金を増額させてキックバックさせたと告発文書にある。

寄付集めに奔走した産業労働部課長はうつ病を発症して病気休暇中であり(後に4月に亡くなっていたことが判明)、公金横領、公費の違法支出があったとしている。

その陣頭指揮には副知事が当たったとしている。

人が亡くなっているからこそより慎重な対応を

筆者は、川勝知事に関する記事の中で、一度、斎藤知事の退職金を取り上げた。

静岡県知事の退職金は1期4年で約4060万円であり、兵庫県知事の約4050万円とほぼ同額である。

初当選した川勝知事は公約で1期目の退職金を受け取らなかった。また静岡県では県庁OBの3人の副知事が退職金を受け取っていなかった。

2021年7月、初当選した斎藤知事は、退職金を50%減額、給料、ボーナスを30%減額にすると公約した。

県議会で条例改正を行い、1期4年務めれば、斎藤知事の退職金は約2000万円となる。

また副知事も退職金の25%減額、給料、ボーナスは15%減額とする条例改正も行っている。つまり、斎藤知事に準じた形を取っている。

告発したAさんは自ら命を絶ってしまった。人が亡くなっているからこそ、「仇取り」のような感情論に終始せず、より慎重に責任の所在や事実認定を進めていくことが必要だ。

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