子供の習い事費は「教育費」として認められず……

では、北島家の支出はどうなっているのでしょうか。家計簿を見せてもらいながらヒアリングすると、生活費は、夫が家賃8万円、生命保険料4万円、自動車関連費6万8000円などの固定費を支払い、妻は、夫から渡された生活費の中から、食費や水道光熱費などの変動費をやりくりしていることが分かりました。

支出項目の中で突出して多いのは食費の12万円(妻の管理)と教育費13万5000円(夫婦それぞれの管理)でした。

教育費13万5000円のうち、長女の私立中学の学費月8万円は夫が「固定費」として出していて、残り5万円の習い事は、妻の「変動費」からやりくり。現状、長女はバレエを、長男はサッカーの習い事をしています。さらにユキミさんは、長男の希望からプログラミングを習わせ、それに伴いパソコンも購入したいと考えています。

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さて、ここがユキミさんの悩みどころ。ユキミさんが子供に新たな習い事を始めさせたくても、夫が“教育に必要で払う価値がある”と判断しなければ教育費として認められず、そうなるとユキミさんが変動費の中から、あるいは変動費に余裕がなければ自分の貯金から習い事費を出さざるを得ないのです。

「夫が認める“教育費”って、世間一般の教育費とズレていませんか? そもそも、教育費は毎月の家計でどこまでかけていいのでしょうか。私、使いすぎなんですかね? 果たして、どうしたら夫に教育費を認めてもらえるのでしょうか」

深いため息をつくユキミさん。しかし後日、夫も一緒に来訪した際、夫の考えが分かりました。2人が見ている景色そのものが違っていたのです。

夫が来訪した目的は、貯蓄目当てで加入した生命保険料(月4万円)の見直しでした。その時、夫はこう本音をもらしたのです。

「僕は、いつ契約を切られるか分からないフリーランス。今は52歳でまだ仕事があるからいいけれど、60代になってもこの収入で稼げる保証はない。だから、働けているうちにできるだけ多く貯蓄しておきたいんです。それで保険料も、高めの貯蓄型にしていました」

「もしかして、それで習い事費も認めてくれなかったの?」(ユキミさん)

「そうだよ。ユキミや子供に言われるままにお金を出していたら、こんなに貯金できていなかったよ。ユキミはお金に関して少し緩いところがあるから一任できなかったんだ」(夫)

マネー相談の席で初めて、パートナーの本心を知ったユキミさん。ここで改めて、自身のお金の使い方についても、見直す必要があることを自覚したようです。